日々のつれづれ

日々のつれづれ

暮らしや趣味(音楽、舞台、映画)に関するレビューが中心の雑記ブログ

クラシック初心者におすすめしたい一冊

年末といえば、ベートーヴェン「第九」。2020年は、ベートーヴェン生誕250年ということで、コロナがなければ国内でも多くのコンサートが開かれたのだろうと思います。

クラシック音楽といえば、聞きなれた曲や好きな作曲家があっても、それが生まれた時代や経緯を体系的に知ることはなかなか難しいものです(-_-;) やはりクラシック音楽を深く知るには時間と資金力という壁が立ちふさがり、私もクラシック教本を幾度と手にとっては挫折してきました。

 

今日はそんな私でも読みきることができた、クラシック音楽の歴史を概観できる本について書きたいと思います。

『クラシック名曲全史』

クラシック名曲全史 ビジネスに効く世界の教養

クラシック名曲全史 ビジネスに効く世界の教養

  • 作者:松田 亜有子
  • 発売日: 2019/10/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

これまでに手を出してきたクラシック音楽の教科書では、なかなか興味が続かず読み切れないことが多かったですが、こちらの本は、読者の興味をひく仕掛けがいくつもなされており、楽しく読むことができました。この記事では、この本をぜひともおすすめしたい理由を書いてみたいと思います。

解説が丁寧

クラシック音楽の基本から説明してくれています。私は、曲名の読み方もわからなかったですが、本書を読んでようやく理解しました。

例えば、第九で有名な「歓喜の曲」は、「ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 作品125 「合唱付」」と示されています。交響曲・第九・ニ短調・125…どれが曲名??とこれまではなっていましたが、一つ一つが何を意味しているか分かるようになります。

 

クラシック音楽の中にあるジャンル、「交響曲」、「管弦楽」、「協奏曲」‥の違いも、はじめに説明されてあるので初心者にも安心です。

切り口がキャッチー

本書の切り口が、クラシック音楽を「教養」としてではなく「ビジネス」の視点から、扱った本で現代的な目線でも共感しながら読めるようになっています。

ビジネスの世界と同じくクラシック音楽の業界も非常に厳しいのです。…クラシック音楽を作曲家たちの芸術性の発露としてみるだけでなく、ビジネス的な視点でとらえ直すことで、「教養」という枠を超えた新しい発見を読者の方にお届けできるのではないかと考えています。 

 

まえがきにはこののように書かれていますが、本当にそのような内容になっていました。作曲家たちが生き残りをかけて何を行ってきたか。この本も、オーディエンスを飽きさせないことの大切さをよく理解されている方が書いた本なのだなと思いました(^^)

 

音楽を聞きながら読み進められる

表紙にあるように、視聴できるQRコードがついています。スマホからQRコードを読ませると、サイトにとび出だしを無料で視聴することができます。(ただし、視聴サイトではアカウント登録が必要)。サイトで全曲視聴するためには、月額1000円ほどかかってしまうので、私的にはそこからSpotifyにとべるとなおよかったな~と思います。

わかりやすい年表つき

これだけは押さえたいという情報をまとめた年表をシンプルに提示してくれています。本書を読んだ後、年表をみるとクラシック音楽がどこからはじまり、どう変化してきたかの大まかな見取り図を得ることができます。

 

おわりに

今年はベートーヴェン生誕250年だったので、コロナがなければ‥と悔やまれるところです。でも各国のYoutube配信の取り組みがすすんで、新たな楽しみを知ることのできた年でもありました。

YouTubeではサントリー1万人の第九2020年版がみられるようです(*'▽')


サントリー1万人の第九2020[完全版]

 

なんとなく聞き流していた曲も、背景を知ればより楽しめること間違いなしです★ この年末、何か読もうかと思っている方に、ぜひともおすすめしたい一冊です。

 

お題「我が家の本棚」